好きな小説のジャンルはサスペンス・ミステリー、ロボアです。
最近また色々と読み漁るのにハマっているのでその中から特に印象に残った、面白い小説を紹介しようと思います。
確かに僕はオタク歴10年(片足突っ込んでいた期間を入れたらもっと)の生粋のオタクですが、今回紹介するのはライトノベルではなくちゃんとしたミステリー小説です。まあ有名な作家の人気作なので知っている人も多いかもしれませんが。
それがこちら。
ドゥルルルルルルルル…
デェン!!
伊坂幸太郎『ラッシュライフ』〜(HIKAKIN)
有名な作家の人気作なので、皆さんの中にも読んだことある方、またはタイトルを聞いたことがある、知っているという方がいるかもしれません。
泥棒を生業とする男は新たなカモを物色する。父に自殺された青年は神に憧れる。女性カウンセラーは不倫相手との再婚を企む。職を失い家族に見捨てられた男は野良犬を拾う。幕間には歩くバラバラ死体登場――。並走する四つの物語、交錯する十以上の人生、その果てに待つ意外な未来。不思議な人物、機知に富む会話、先の読めない展開。巧緻な騙し絵のごとき現代の寓話の幕が、今あがる。
あらすじはこんな感じ。登場人物は千差万別、性別も年齢も職業も何もかも違い、共通点も特段見受けられません。
主な登場人物はこちら。メインとなるのは泥棒の黒澤、宗教団体信者の河原崎、不倫中のカウンセラー京子、職と家族を失った豊田と思ってくれていいです。本当にバラバラでどう展開するんだ?これがどういうオチになるんだ?と思うことでしょう。
しかし、こんな一見何の繋がりもない彼らが、彼らの行動が綺麗に繋がり、一つの壮大な物語となっています。
それぞれの人物の視点が1節ごとに切り替わり、時系列もバラバラで進みます。最初に書かれていた物語Aが幾分か後に書かれた物語Bの数日後の出来事だった、なんてこともザラです。
そんな取っ散らかった時間の流れがページを進めていくごとに一つ一つ整っていき、綺麗にハマります。全てが繋がった時は何とも爽快な気分になりました。
判型によっては480ページにもなる長編ではありますが、伊坂幸太郎作品は文章が非常に読みやすく自然と本の中の世界に引き込まれるので、活字が苦手な方でも苦にならずスラスラと読めることでしょう。
ちなみに僕が読んだものは半分強の266ページで収まっていましたが、
こういう風に二段組になっていただけなのでどの判型を選んでも内容は変わらないと思います。
ちなみにこのネットの試し読みでも閲覧できるような最序盤も重要なシーンとなっていたりします。真相明かされた時普通にゾッとしました。
余談ですがこのシーンに登場している泥棒の黒澤は重力ピエロはじめ複数の作品に登場するので彼のことを気に入った方は他の作品も読んでみるといいと思います。
重力ピエロは重苦しいテーマではありますが、“読んで損はない”と言い切れるほど面白いので特におすすめの1冊です。
僕は胸糞系やグロは苦手(サスペンス好きでありながら)で、ラッシュライフにも途中「ゔ……」と嘔吐いてしまいそうになった描写はありました。ですが最後には救いもあり、軽快なやり取りも挟まれています。何より話の面白さが大きくてページをめくる手が止まらないため、最後まであっという間に読み切ることができました。
何度も読み返すのに向いているテーマかつそれでいて読者を飽きさせないので、そういう面でもいい作品だと思います。
ミステリー要素は薄いですが、ミステリー好きな方でも十分楽しめると思います。勿論そうでない方も楽しめる作品だと思うので、興味を持った方は読んでみて欲しいです。 あと動物好きにも勧められないけど勧められる。
最後に
ちょまままリトルデーモンに案件が来たら、どうする?